「あかね色」 作詞・作曲:武下詩菜


生まれた町を出て

あこがれた都会へと出た

何も知らない、よく分からないことばかりで

募る不安

 

でも、この部屋からの

この空は好きなんだ

吹き抜ける風 生ぬるいけど

たまに見せるの

あの町の空と同じ顔

 

流れる時間に負けないようにと

気付けば心まで、せかせかと

早歩きをしてたみたい

 

遠く離れてく後ろ姿を見ながら

何をあなたは思ったのだろう

沈む夕日とあかね色の空

この空とあの空はつながっているんだ

さぁ、ほら歩こう

 

目覚まし代わりの音

そういえば、これで起きてたっけ?

何気なく出たのは気だるい "おはよう" 

"おはよう" と返ってきた声は 聞き慣れた声

 

「疲れたら、いつでも帰っておいで」と

心配そうな顔してあなたが言う

それだけで、また歩ける

 

少しずつだけど、強くなっていく姿を

あなたに見ててほしいから

今度は私が老いたあなたの手を

転ばないようにひいて歩くから

あぁ、ゆっくり

 

遠く離れてく後ろ姿を見ながら

何をあなたは思ったのだろう

後ろ姿につぶやく "頑張れ"

確かに耳に届いたから

 

さぁ、ほら、歩くよ